修行編1 「これは、45年立ち続けた床屋が、涙で作った育毛剤です。」
私の理容人生は今から45年前の3月10日の朝から始まりました。
3月1日高校の卒業式を終え、10日目の朝でした。
同級生2人に彦根駅まで見送ってもらい京都に向かう電車。
天気は晴れていた気がして、1時間ちょっとで京都駅につき、9番の市バスに乗る。堀川丸太町でおり、川沿いの東堀川通りを100メートルほど上がった所に、
今回お世話になる「理容竹村」があり、竹村先生が迎えてくれた。
五年の約束で修行が始まる。
6畳の畳の部屋に3人の若者が寝食を共にする。
佐古田忠志さん、市川武司さん、橋野浩一さんが先輩で、優しい先輩達。今でも付き合いがある。
先週、10数年ぶりに佐古田さんに会い、竹村先生の奥さんに会いに行った時も、普通に何も違和感なく助手席に乗り込み「天天佑」のラーメンを一緒に食った。
帰りに猪熊松原に行き橋本和彦こと「かんちゃん」にも会って、「たつや〜」って何にも違和感ない。
理容の修行、朝掃除、タオルたたみ、顧客のカルテ覚え、髪の掃き方、お客さんの迎え方、接客方法、クロスの巻き方、先生のアシスタント、シャンプーの見方、、、、、
なんと1時間の長いこと。時計ばかり見てもなかなか進まない。時が止まった。
高校3年間の楽しい日々から、まっさかさかの坂を転げ落ちていく気がした。
もう涙が出てきた。
「修行」の五年間が始まった
ただ救いは、竹村先生の素晴らしい技術、奥さんの手料理と優しい笑顔、
優しい先輩たち、美人の娘さん、友達のように接する息子の幸一くん。
それと、「浜田省吾」のカセットテープ。
そして、彦根にいる恋人の「由美」
育毛剤の物語が動き出した。
45年前の春
辛く長い1日だった。
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